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戸籍に関する先例



出典 
民事月報53-2-110・戸籍672-80
番号  平成10年1月30日付法務省民五第180号各法務局長、地方法務局長あて民事局長通達
件名 
外国人母の夫の嫡出推定を受ける子について、日本人男から認知の届出があった場合の日本国籍の有無について

概要 
平成9年10月17日最高裁判決の胎児認知がされたであろう特段の事情の処理方法

 

H10 01/30民五0180通達
注意
概要・要旨は saini-office 独自のものです。
要旨
●概要
 最高裁判所判決の趣旨にかんがみ、外国人母の夫の嫡出推定を受ける子の生来的な日本国籍の取得については、今後、下記のとおり取り扱う。

1 外国人母の夫(外国人男の場合を含む。)の嫡出推定を受ける子について、その出生後遅滞なくその推定を排除する裁判(母の夫と子との間の親子関係不存在確認又は嫡出否認の裁判をいう。以下「嫡出推定を排除する裁判」という。)が提起され、その裁判確定後速やかに母の夫以外の日本人男から認知の届出(既に外国人の子としての認知の届出がされている事案においては、子が日本国籍を有する旨の追完の届出。以下両者を併せて「認知の届出等」という。)があった場合には、嫡出推定がされなければ胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるものと認定し、その認定の妨げとなる事情がうかがわれない限り、子は出生により日本国籍を取得したものとして処理するので、その対象となりうる認知の届出等を受けた市区町村長は、その処理につき管轄法務局若しくは地方法務局又はその支局(以下「管轄局」という。)の長の指示を求めるものとする。

2 管轄局の長は、子が出生してから嫡出推定を排除する裁判が提起されるまでに要した期間及びその裁判が確定してから認知の届出がされるまでに要した期間を確認した上、次のとおり取り扱うものとする。

(1)子の出生後3か月以内に嫡出推定を排除する裁判が提起され、その裁判確定後14日以内に認知の届出等がされている場合には、嫡出推定がされなければ胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるものと認定し、この認定の妨げとなる事情がうかがわれない限り、子は出生により日本国籍を取得したものとして処理するよう指示する。

(2)(1)における認定の妨げとなる事情がうかがわれる場合には、その認定の妨げとなる事情についての関係資料を添付して、その処理につき当職の指示を求める。

 また、嫡出推定を排除する裁判が子の出生後3か月を経過して提起されている場合、又は認知の届出等がその裁判確定後14日を経過して行われている場合には、その裁判の提起又は届出に至るまでの経緯等についての関係資料を添付して、その処理につき当職の指示を求める。

平成15年7月18日法務省民一第2030号で以下追加
(3) 母の離婚後に子が出生し、胎児認知の届出が受理され得るにもかかわらず、同届出がされなかった場合には、同届出がされなかった事情について関係資料を添付して、その処理につき当職の指示を求める。
 
全文
外国人母の夫の嫡出推定を受ける子について、日本人男から認知の届出があった場合の日本国籍の有無について

平成10年1月30日付法務省民五第180号各法務局長、地方法務局長あて民事局長通達
(改正 平成15年7月18日法務省民一第2030号)

 客年10月17日、最高裁判所は、日本人男と婚姻中の外国人女から出生した子について、母の夫との間の親子関係不存在確認の審判の確定後に、母の夫以外の日本人男が認知の届出をしたことにより生来的な日本国籍の取得が認められるか否かが争われた事案において、「客観的にみて、戸籍の記載上嫡出の推定がされなければ日本人である父により胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情がある場合には、右胎児認知がされた場合に準じて、国籍法2条1号の適用を認め、子は生来的に日本国籍を取得すると解するのが相当である」との立場を明らかにした上、「右の特段の事情があるというためには、母の夫と子との間の親子関係の不存在を確定するための法的手続が子の出生後遅滞なく執られた上、右不存在が確定されて認知の届出を適法にすることができるようになった後速やかに認知の届出がされることを要すると解すべきである。」と判示し、当該事案については、子の出生の3か月と3日後に母の夫と子との間の親子関係の不存在を確認するための手続が執られ、その不存在が確定してから12日後に認知の届出がされているから、上記「特段の事情があるというべきであり、このように認めることの妨げになる事情はうかがわれない」として、国籍法2条1号を適用し、生来的な日本国籍の取得を認める判決を言い渡しました(平成8年(行ツ)第60号事件最高裁判所第二小法廷判決)。

 ついては、この最高裁判所判決の趣旨にかんがみ、外国人母の夫の嫡出推定を受ける子の生来的な日本国籍の取得については、今後、下記のとおり取り扱うこととしたので、これを了知の上、貴管下各支局長及び管内市区町村長に周知方取り計らい願います。



1 外国人母の夫(外国人男の場合を含む。)の嫡出推定を受ける子について、その出生後遅滞なくその推定を排除する裁判(母の夫と子との間の親子関係不存在確認又は嫡出否認の裁判をいう。以下「嫡出推定を排除する裁判」という。)が提起され、その裁判確定後速やかに母の夫以外の日本人男から認知の届出(既に外国人の子としての認知の届出がされている事案においては、子が日本国籍を有する旨の追完の届出。以下両者を併せて「認知の届出等」という。)があった場合には、嫡出推定がされなければ胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるものと認定し、その認定の妨げとなる事情がうかがわれない限り、子は出生により日本国籍を取得したものとして処理するので、その対象となりうる認知の届出等を受けた市区町村長は、その処理につき管轄法務局若しくは地方法務局又はその支局(以下「管轄局」という。)の長の指示を求めるものとする。

2 管轄局の長は、子が出生してから嫡出推定を排除する裁判が提起されるまでに要した期間及びその裁判が確定してから認知の届出がされるまでに要した期間を確認した上、次のとおり取り扱うものとする。

(1)子の出生後3か月以内に嫡出推定を排除する裁判が提起され、その裁判確定後14日以内に認知の届出等がされている場合には、嫡出推定がされなければ胎児認知がされたであろうと認めるべき特段の事情があるものと認定し、この認定の妨げとなる事情がうかがわれない限り、子は出生により日本国籍を取得したものとして処理するよう指示する。

(2)(1)における認定の妨げとなる事情がうかがわれる場合には、その認定の妨げとなる事情についての関係資料を添付して、その処理につき当職の指示を求める。

 また、嫡出推定を排除する裁判が子の出生後3か月を経過して提起されている場合、又は認知の届出等がその裁判確定後14日を経過して行われている場合には、その裁判の提起又は届出に至るまでの経緯等についての関係資料を添付して、その処理につき当職の指示を求める。

平成15年7月18日法務省民一第2030号で以下追加
(3) 母の離婚後に子が出生し、胎児認知の届出が受理され得るにもかかわらず、同届出がされなかった場合には、同届出がされなかった事情について関係資料を添付して、その処理につき当職の指示を求める。