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規制改革・民間開放の推進のための重点検討事項に関する中間答申(資格制度の見直し)

以下の要旨等は斎二幸一が独自にまとめたものです。詳細を調べる場合等は原文を参照して下さい。
尚、数字は漢数字は算用数字に、「,」は「、」に直して読みやすくしてあります。
平成18年月日公開 原文PDFファイル
 
(3)資格制度の見直し
【問題意識】

@ 資格制度の見直しについて
ア これまでの取組とその成果
公的資格制度は、国民の権利と安全や衛生の確保、取引の適正化をはかるため、
厳格な法的規律に服する資格者を置き、安心できるサービスを国民に提供するこ
とに、その目的がある。しかしながら、その資格をもった者でなければ一定の業
務活動に従事できないとするもの、いわゆる「業務独占資格」については、個人
の特定の市場への参入を規制する等の側面を有していることにより、国民生活に
不利益を与えている場面もあると考えられる。このような業務独占資格を典型と
する資格制度については、過去に総理府に設置されていた行政改革委員会が、平
成7年に「規制緩和の推進に関する意見(第1次)」の中で弁護士の大幅増員を
提言して以来、下記に掲げるような資格制度の見直しに関する取組が進められ、
成果をあげてきたところである。

 (資格制度の見直しに関するこれまでの取組とその主要な成果)
平成7年12 月 行政改革委員会第1 次意見 弁護士の大幅増員を提言
平成9年12 月 行政改革委員会最終意見 行政書士の業務独占のあり方の見直
しや、受験資格要件の廃止及び報酬規定を会則記載事項としな
いことを提言
平成10 年4月 法曹人口の大幅増員等のための、裁判所法及び司法試験法の改正
平成11 年3月 業務独占資格についての16 項目の見直し基準・視点を提示し、
規制緩和推進3か年計画に盛込み、閣議決定
平成11 年4月 理学療法士及び作業療法士の養成課程について、既に履修した
と認められる課目を免除する指定科目制度等の導入
平成11 年7月 行政書士試験の受験資格要件の廃止、報酬規定の会則記載事項
からの削除
平成12 年3月 平成11 年3月の規制緩和推進3か年計画における見直しの基
準・視点に、更に法人制度の検討及び資格者数の増大の2項目
を追加
弁護士の広告規制を原則禁止から原則自由に緩和
平成12 年4月 弁理士の業務範囲の見直し、試験制度の改革、法人制度の創設、
報酬規定の会則記載事項からの削除等
平成12 年11 月 行政書士報酬規定を廃止
平成12 年12 月 行政改革推進本部規制改革委員会第2次見解
「登録・入会制度の在り方」、「報酬規定の在り方」について提言
平成14 年3月 税理士報酬規定の撤廃
平成14 年11 月 社会保険労務士報酬規定の廃止

イ 資格制度の見直しについての基本的な考え方
上記のように、平成11 年3月、規制緩和委員会の「規制改革についての第1
次見解」による提言に基づき閣議決定された「規制緩和推進3か年計画(改定)」
に掲げられた資格制度に関する見直しの基準・視点に沿った形で、各資格につい
て以後一定の改革が推進されてきたところであるが、業務独占資格については、
業務の独占、合格者数の事実上の制限、受験資格要件などの規制が維持されるこ
とにより新規参入が抑制されたり、資格者以外の者が市場から排除されることに
より当該業務サービスに係る競争が制限されるといった弊害が残っていると言
わざるを得ない。
 したがって、業務独占資格については、有資格者でないとできない業務をでき
るだけ限定するとともに、隣接職種の資格者にも取り扱わせることが適当な業務
については他の職種の参入を認めるなど、資格の垣根を低くすることが必要である。
 また、社会状況等が急速に変わっていく中、資格者が担うべき業務の内容も時
代の変遷とともに変わり、新たな技術・能力を身につけることが必要である。当
然あらゆる分野において、そのような職能技術・能力を高めることは必要ではあ
るが、特に業務独占資格については、業務を行うことができる者が限定されてお
り、競争原理が働きづらい環境であることから、業務独占資格者の質の確保・向
上や資格者の職歴や懲罰等の情報の開示等が社会的に求められていると言える。
したがって、資格制度全般に関し、各省庁は、国民生活の利便性の向上、当該
業務サービスに係る競争の活性化等の観点から、所管する業務独占資格等につい
て、上述した資格の見直しの基準・視点に基づいて、業務独占規定、資格要件、
業務範囲等の資格制度の在り方を更に見直すべきである。

A 個別の問題意識
ア 資格者の質の向上

これまでは、資格者が業務を行うにあたっては、有資格者としての倫理観・責
任感が働くことにより、法が遵守されているという前提が当然にあるかのように
信じられてきた。しかしながら、そういった信頼を裏切る行為による事件も続発
しており、単純に資格者の倫理観・責任感に頼るだけでは、法秩序を守ることが
できない状況が生じている。さらにまた、社会の変化・複雑化もあり、資格者が
その資格を取得した当時の知識や技術だけでは解決できない問題も発生してい
る。これらを解決するためには、資格者の知識・技能の向上を図る仕組みが必要
であると考える。これについては、現在でも資格者団体が講習を実施するなど、
資格者の知識・技能の向上を図る取組みがなされているところもあるが、必ずし
も受講の義務付けなどがなされておらず、資格者の能力に個人差が生じていると
考えられる。
 したがって、競争制限的あるいは参入障壁的なものとならないような配慮を行
いつつ、資格者に対する講習等の実施とともに、それらの受講の義務付けや、必
要に応じて免許の更新制の導入なども検討すべきであると考える。また、医師・
建築士のように専門業務がある程度分化されている資格については、各分野の資
格者の能力を民間で認証できる仕組みや資格者の認証や業務実績の情報を開示
する仕組みなど、利用者が資格者の質や専門性を判断できる仕組みを導入するこ
とが、利用者利便と専門能力の向上のために必要と考えられる。

イ 懲戒処分等の適正な実施
 弁護士以外の業務独占資格においては、資格者はその行った法律違反を含め不
適切な行為に対して、所管大臣から懲戒処分を受けることになっている。しかし
ながら、懲戒処分に当たっては、処分を行う基準等が明確でなかったり、資格に
よってはこれまで極端に処分実績が少ないものもあるなど、適正に処分が行われ
てきたことに疑念を抱かざるえない部分もある。また、処分の内容については、
官報等で公表することとされていない資格もある。
 懲戒処分に当たっては、まず、懲戒処分の基準を明確にすることが必要である。
さらに、不適正な行為を行った資格者に対しては、懲戒等の処分が厳格に行われ
るべきことは、資格者の倫理観・責任感を維持する観点からも当然であり、厳格
かつ適正な処分により、他の資格者の不適切な行為に対する抑止力となると考え
られる。また、処分等の対象となった者の氏名、行為や処分の内容等の公表は、
不祥事事案の再発を抑止するとともに、資格者の提供するサービスの利用者であ
る国民に注意を喚起することによって不測の損害を被ることを防止する観点か
らも重要である。

ウ 強制入会(団体)の在り方
 今年度ヒアリングを実施した業務独占資格の事務系10 資格のうち、公認会計
士、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、行
政書士の8資格では、法律により資格者団体の設立が義務付けられるとともに、
資格者団体に入会しなければ当該資格者の業務を行うことができない、強制入会
制が採られている。不動産鑑定士については、法律上、団体の設立及び入会を強
制する規定はなく、実際、民法(明治29 年法律第89 号)第34 条の規定に基づ
く任意入会制の社団法人が設立されている。
 資格者団体及び関係省庁は、強制入会制を採る主な理由として、資格者の品位
保持、資質の維持・向上、資格者の非行の抑制、低所得層等に対するサービスの
提供、行政からの連絡・示達の利便性等を挙げている。
 しかしながら、これらの理由は、当該資格者団体に入会しなければ資格者とし
ての業務を行うことができないという追加的な規制を試験合格者に課すること
を正当化するものとは考えられない。強制入会制度をとらないと会員数が減少し
て資格者団体が維持できないという財政上の理由も上げられるが、資格者団体の
維持は会員にとって魅力のある活動を当該団体が行うことによって図られるべ
きは当然のことである。
 強制入会制度は、試験合格者に追加的な規制を課すとともに、他の資格者団体
との間に業務領域などについて障壁を作り、内部においては資格者個々人の自由
な業務の展開を抑圧する頸木としての役割を果たしており、これらは利用者であ
る国民にとっての資格者の活用を不自由にする大きな原因となっている。したが
って、資格者団体への強制入会制度の在り方については、引き続き検討を行って
いく必要がある。

【具体的施策】
@ 資格制度全般

ア 懲戒処分等の適正な実施【平成18 年度検討・結論、平成19 年度措置】
業務独占資格について、主管省庁は、懲戒処分に当たっての基準を明確にする
とともに、懲戒理由に該当する場合には基準に照らして、懲戒等の処分を厳格に
行うべきである。懲戒等の処分の対象となった者の氏名並びに行為及び処分の内
容等を公表すべきである。
以下 略